2旅のドルイド

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「言いたくないでは済まないんだよ、ライラ君」  突然、部屋のドアを開けたのはレドワルドだった。後ろにベルガも控えている。 「レドワルド様!どうしてここに」  ライラは慌てて跪いた。 「まあ、楽にしてくれ」  ゆっくりレドワルドは入ってきた。 「大切な姫君が殺されかけたとあっては、黙って座っているわけにも行かないだろう」  ライラはゆっくり立ち上がり、レドワルドと対面した。 「他国の間者かもしれんしな」  レドワルドは軽く肩をすくめておどけてみせた。 「さて、その顔でも・・・」  ライラからゆっくりエドウィンへと視線を移してゆくレドワルド。 「!!」  その目を見た瞬間、レドワルドは全てを理解した。体が固まった、石膏の如く。 「エドウィン・・・」  呟くと即座にレドワルドが剣を抜いた。 「お兄様、乱暴なことはしないと約束したではありませんかっ」  ベルガがレドワルドの前に立ちはだかる。 「どきなさい、こいつを生かしておいてはならぬのだ」 「何故です」  レドワルドの覇気に負けないほどのベルガの見幕。 「この少年はな、お前を殺そうとしたこいつは・・・」  言葉が詰まった。レドワルド自身、認めたくないようである。 「デイラ国の王位継承者、エドウィン王子なのだよ!」 レドワルドの言葉が部屋に一瞬の沈黙を呼び込んだ。
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