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横で話を聞いていたタケルは、
「少なくとも争いにはならなそうだな」と少し気持ちを緩ませる。
ヘファイストスの特徴を聞いたサルペドンは、
その事自体、気にも留めていないようだ。
「神話でも、かの神は足が悪いとされているからな、
遺伝的なものかもしれん。
別にマリアは首を傾げることもないと思う。」
「あ、はい、それもそうなんですが他にも・・・。」
「急がせはしない、
自分で納得できるように話してみろ。」
そこで以下、マリアが見聞きしてきた様子を簡単に叙述してみよう。
まず、マリアたちが村に着くと、すぐに村人たちが集まってきて、
ヘファイストスと面会する段取りがつけられた。
ヘファイストスがやってくるまで、
彼女たちの元に、
「ポセイドン様は来ているのか、元気でやっていらっしゃるのか」という、質問の嵐に襲われたが、
そこは「知らない」としか言いようがないので、少し後ろめたかったそうだ。
少ししてから、ヘファイストスと思しき男がやってきたのだが、
荷車に乗った猫背の彼は、やたらと頭を下げて、まるで召使のようであった。
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