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そしてこの後、斥候を放つわけだが・・・
いや、もう斥候と呼ぶほどこれより先の地形は危険そうも無い。
既に街道は石で舗装され始め、人間の手がそこかしに刻まれている様相も見える。
ここから先の役目は伝令と言えるだろう。
そこでマリアを責任者として、グログロンガを護衛、
さらに部下を一名つけて、交渉に向うべく彼女たちは本隊を離れた。
果たして、交渉の結果はいかに・・・。
さて、交渉の結果を述べる前に、
彼女たちを待ち受けるパキヤ村の主・・・ヘファイストスに目を向けよう。
元々はこの村、ポセイドンの領地であり、
やはり「大地の神」の異名を持つが如く、
豊かな水資源と、それを背景とした広大な領地からは多大な食料を産出する。
農地の収穫量はデメテルの村には劣るものの、
牧畜にも適したこの村は、
主に、肉やチーズなどの動物性タンパクの供給でも、
ピュロス全体に多大なる貢献を行なっている。
その施設や宮殿も、ポセイドン時代のものとそう変化はないが、
ここ、オリオン神群の居室だけは違う。
それまで開放的だった空間は、窓を閉められ、隙間は閉ざされ、
申し訳程度の空気取り入れ口を残した工房となっている。
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