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※第一部※ 序章
あかねさす 紫にほふ 華桔梗 永久の愛 我は誓ひつ
~玄武天皇~
(返歌)
秋草の 結びし紐の 一重草 我が誓ひてし しるしなりけり
~千愛の君~
・~・~・~・~・~・~・~・~・
時は表向きは華やかなりし平安時代中期。
平安京に「傾国の華」と謳われた美女があった。
傾国とはまさに、王がその女の美貌と色香に狂い、国を滅ぼす程の女の事を示す。
彼女の名は『千愛』玄武天皇の寵姫である。
千愛は有り得ない事に、庶民の出であった。
彼女は帝の愛を一心に受け、身も心も益々美しく花開いて行く。
そして後にこの時代は「幻の時代」と呼ばれるようになり、ひっそりと歴史から
その姿を消して行く……。
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