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驚いて振り返ると、黒髪のロングの女性がメモらしきものを持って時刻表を見ている。
ああ...これは僕と同じ様にさっきの急行に乗り遅れたパターンだな...
すると、急に女性はこちらを見、そして、僕に向かって突進して来た。
突進して来たのだ。
「わああああぁっ!!」
と、思わず間抜けな声が出てしまった。
「あの...すみませんが...」
「普通に喋りかけて来た!」
びっくりだ。
「ああ、驚かせてしまいましたか?すみません... 急ぎなもので」
女性は焦った様子で話しかけてくる。
「あの、さっき行ってしまった急行列車に乗らなくては...その...和歌山に、引っ越してしまう友達にお別れを...言えなくなってしまって...どうしよう...!」
あぁ...何かこの先の展開が読めるなぁ...
「それで...さっきの急行列車に何とかして追いつく方法はありません...か?」
やっぱりだ。
僕は仕事に行かなくちゃならないのに...
まあ、でも、
「話くらいは聞くよ」
「本当ですか...? ありがとうございます!」
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