愛情より深い友情

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「詳しい話しと言っても……付き合ってるって思ってたのは私だけで、遊ばれていたんですよ。彼、アメリカにフィアンセが居たから……」 「フィアンセ?」 「はい、なんでも新太さんのスポンサーの娘さんだそうで……あ、常務や環ちゃんに聞いてません?」 「うぅん、何も聞いてない」 訝し気な表情の薫さんにパーティーでの一件を話すと、まだテレビにへばり付いている環ちゃんを微妙な表情で見つめため息を漏らした。 「そんなことがあったの……環も零士も何も言ってくれなかったから知らなかったわ」 「多分、ふたりとも私に気を使って誰にも言わないでいてくれたんだと思います」 「そう……でも、今思えば、希穂ちゃんが泣いてたって大騒ぎして環に電話させたのも、あなたのことが気になっていたからなのね。あの時から零士は希穂ちゃのことが好きだったのかもしれない」 そして薫さんは、西島先生のパーティーがあった日、零士先生には大切な予定が入っていてパーティーは欠席するはずだったと教えてくれた。 「えっ、そうなんですか?」 「えぇ、でも、私が希穂ちゃんにパーティー用のドレスを貸してあげなきゃいけないから定時で帰らせて欲しいってお願いすると、急にパーティーに出席するって言い出したのよ」 薫さんが言うには、零士先生は新太さんがあのパーティーに出席するって知ってたから、急遽予定をキャンセルしてパーティーに行ったんじゃないかと……
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