運命のイタズラ

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「ヤダ……輝樹君ったら、そんなに驚かなくても……」 彼の予想以上の反応に少し戸惑ってしまったが、よくよく考えてみれば、当然のことなのかもしれないと納得する。 まぁ、確かに、私みたいな画廊で働く平凡な一般市民と、世界で活躍している新太さんが付き合っているんだもの。輝樹君が驚くのも無理ないか…… ちょっぴり優越感に浸りながら絶句している輝樹君に再び微笑み掛けるが、どうも様子かがおかしい。私をジッと見つめ「本当に新太先輩と付き合ってるの?」としつこく聞いてくる。 「もぉ~輝樹君ったら疑い深いなぁ~本当に決まってるじゃない」 「そう……なんだ……」 私から目を逸らし眉を顰める彼を見て、単純に不釣り合いな私達に驚いているだけではないような気がしてきた。 妙な胸騒ぎがして問い詰めると私と輝樹君が予想もしていなかった言葉を口にする。 「――あの……希穂ちゃんって……処女?」 「へっ?」 「新太先輩とは、まだそういう関係になってないとか?」 いきなりそんなこと聞かれ、恥ずかしくて一気に顔が茹ダコみたいに真っ赤になってしまった。 「どどど……どうして、そんなこと聞くの?」 慌てふためく私に、輝樹君は真剣な表情で迫ってくる。 「希穂ちゃん、君が処女なら、新太先輩はやめた方がいい」 「な、何それ? 意味分かんないんだけど……」
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