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それは5年も前になるだろうか。
彼女に出会ったのは。
出会ったというよりは、その頃からずっと私は彼女
の作品の単なる読者であった。
ホラー、オカルト系の読み物を好む私は暇潰しにケータイ小説サイトの作品を手当たり次第に読み漁っていて。
見つけた小説を書いていたのが彼女だった。
数ページ読み進んだ所で気付く。
「この作者さん素人ではないな」
そう思う私こそ素人であるのだが、物語の導入部が特に秀逸だった。
当時の更新してあった300ページ程を時を忘れて夢中で読み切った。と言っても1ページ当りの文字数はしっかり800~900字は埋まっており、しかし単なる語句の羅列ではないその作品に深く引き込まれたのだ。
ヘビースモーカーである私が煙草をその間忘れていた。
そして普段は全くしないのに、コメント機能を使い作者様にメッセージを送っていた。
まあ、大概こういう類いのものは社交辞令というか挨拶みたいなものである。
「応援してます。更新頑張ってください!」だとか
「作品の続きが気になります。楽しみです。」
そんな他愛のない内容の文を送ると、意外にも多くの作者様はメッセージを返して下さる方がいて嬉しかったりしたが、よくよく考えると作者様側からしたら面倒な作業になるかと思い極力控えるようにしていた。
でもその時は感想をどうしても伝えたくなり、具体的なキャラクターの設定等について書き込んでしまった。
まあ、相手にされなければそれはそれで良いか。
その日はもう明け方になっていて、すぐに眠りに落ちた。
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