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この事件のある少し前から、ケータイ小説のサイトに烏龍茶さんは戻ってきていた。
今年になって実家に戻って仕事をしているとかで、体調も安定してきているらしく少しずつ以前からの小説の続きを更新してくれていた。
内容はホラー、ファンタジー、エロ要素等を含んでいたが、深夜眠る前に現実から少し離れて作品を楽しみながら読んだ。
時折返してくれるメッセージが心地良くて、彼女とは色々な話をした。
私は彼女の作品の熱心な読者でありファンの一人に過ぎない関係性と言えたが、数年来の知り合いであった為に妙な安心感があり週に1~2度のやり取りでも楽しみであった。
私としては恋心があった訳でもないし、逆に執拗にメールする等して負担もかけたくもなかったので、一定の距離感は保っていた。
烏龍茶さんは密かな趣味の中での大切な友人だと思っていた。
私は彼女に家族や同僚、親友等にも話せない気持ちを話す事で自分自身を保っていたのかも知れない。
ゆっくりであったがこの頃さらに信頼関係は深まって行ったように思う。
しかしまたどちらかががサイトを去ってしまえばそれまでの脆い繋がりではあったのだが、恐れていた事が起こった。
7月になって彼女の作品の更新とメッセージが途絶えてしまった。
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