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そんな風に半ば投げやりな生活になりかけていた9月のある日、メールが届いた。
烏龍茶さんからだった。
彼女は精神科の病院に入院中だった。
理由は言いにくい部分もあるだろうと思い根掘り葉掘り聞くような事はしなかった。
ただ戻って来てくれた事を嬉しく思った。
しかし彼女は同時に入院生活について自らの作品で公開して行ったので、経緯については聞かずとも知る事となった。
主な原因はやはり躁鬱症状であるらしい。
医学書等は読んだ事はないが、要するに精神状態の振り幅の問題なのだと思う。
誰にでも陽気に過ごせる時期もあれば落ち込んで過ごす時期もある。
環境の変化や忙しさに上手く適応しようとする等の反動が単純に疲労感として出てくる場合は良いが、外的環境の変化に対応出来ていない場合や心身にストレスを抱えたまま躁状態が重なると非常に良くない。
自覚なく無理に無理を重ねてしまえば人間はいつか壊れるだろう。
彼女は恐らくそんな状態にあったのだろうと理解した。
様々な薬の副作用もあってか不安定な時期とも取れたので、元気になるまでそっと見守っていようと思った。
彼女の場合は誤って使用してしまった薬のせいで離脱症状が時折発作的に起こる為に、一時期は鍵の掛かった個室の部屋に閉じ込められていた。
当初はスマホ等の使用も制限されていたので外部とは連絡の取れない状況にあったらしい。
医師やナースに管理されているとはいえ独房のような環境はとても寂しかったようで、彼女は一日一通でもメールのやり取りが出来れば凄く嬉しいと言っていた。
私が仕事から戻り夜のうちにメールを送っておくと翌日の日中に彼女から返信が来るという具合であったが、それだけでも私のくすんだ生活には光が差した。
彼女の退屈な入院生活に多少の暇潰しになればという思いであったが、誰かの為に何かしら行動している充実感みたいなものを感じていた。
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