第10節「同人誌制作・始動」

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第10節「同人誌制作・始動」

「脚本が書けそうな気がする」  翌日、復興部の部室で悠未が語り始めた。  急ぎの“復活”依頼がない時は、目下進めている同人誌販売作戦の活動を行うことになる。 「これも縁だと思って両義(りょうぎ)先生の『莱童(らいどう)物語』を今更読んでみたんだが、これが良かった。インスピレーションが湧いてきた」 「おお~」  悠未の言葉にパチパチと手を叩く灯理を、焔はそっと見やる。  昨日の夕食時はちょっと大人なお姉さんにも見えた彼女だったが、悠未や祈といる時は年相応の女子といった感じ。 「ついに俺も面白い物語の書き方というものが分かった気がする。明日までに書いてくる」 「明日? さすがに速くね!?」  既に彼の頭の中では出来上がっている美しいものに酔いしれるように語る悠未に、焔は思わず突っ込みを入れる。 「ユーちゃんは、ノってくると目茶目茶書くの速いんだよ」 「マジですか」
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