第10節「同人誌制作・始動」

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「ユーミ、エロ要素を多めに入れようよ」  脚本が出来る前に、今のうちに言っておくかって感じで、祈が切り出した。 「そうだな。サービスシーンは大事だからな。どんなのがイイ?」 「今回は妹萌えでいこう。男の方は全裸で」 「それ、アンタらが好きなもの混ぜてるだけじゃね?」  すると、灯理がチチチと人差し指を振りながら、どうでもイイ情報を教えてくれた。 「イノッチの性癖は多岐に渡るんだよ。この前までは人妻(ひとづま)がブームだった」 「灯理さん、今、自分で『性癖』って言った」  焔に指摘されて、灯理は顔を赤らめながら目を泳がせた。  自分の言葉で異性が反応し、表情を変える。焔にも、何となく子供の頃にはあった、じゃらけるような会話のテンポ・ノリのようなものが戻ってくるのが感じられた。 「まあ、僕はオールマイティーなんだけどね。うちで一番エロいのはナユカだね」 「あいつには勝てんな」 「ナユちゃんはエロいね」  また奈由歌という人か。「街アカリ」の四人目。どんな人なんだ。  聞いた所によると、今はちょっと北海道に行ってるらしいけれど。 「その辺りは、制作途中でもうちのエロエロ大臣が帰ってきたらアドバイスを貰うとして」  悠未が本題に入るとばかりに改まった。 「次のイベント合わせだと、そんなにも時間がない」 「納期を守るのも、復興活動(フッカツ)だね」
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