3人が本棚に入れています
本棚に追加
第11節「二次元? 三次元?」
夜。下校途中のことだった。
駅前の広場にて。後ろから声をかけられた灯理が振り返ると、清楚な感じの女性が立っていた。
(どこかで見たことがある女性だな)
けれど、すぐには思い出せない。
年上だけど、成人した女性と形容するのはちょっと違う。全体的な雰囲気に少女性が残っている。
膝より下、ふくらはぎの真ん中くらいの丈の長めレングススカートに、ギンガムチェックの長袖シャツ。
上からグレーのジャケットを羽織っていて、首には紅いストール。
梳かれた黒髪が肩の下まで降りていて、目元は生来はぱっちりしているはずなのに、彼女の心情が今は伏し目がちにさせている感じ。
何者だろうか? と灯理の性分として「観察」してしまう。
睨みつけるような感じになってしまったかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!