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第13節「トゥルーアント・プレイヤーズ」
午後。焔が体育館裏を訪れると、背の高い亜麻色髪の男が、この季節は閑散とした花壇を眺めていた。
「祈、さん?」
祈は振り返ると、ニっといつもの柔和な微笑を作った。
「焔君。なんだい? まだ、授業中でしょ」
「人のこと、言えないっスよ」
悠未の話を聞いてから、モヤモヤとして落ち着いて授業を聞いている気分ではなかったのだ。
「ハッハ。この場所。学園内の絶好のサボりスポットだからねぇ。ここを知ってるとか、焔君もサボり係数高いねぇ」
そもそも長い期間学校に来てなかったので、サボり係数は振り切っている。
その口ぶり、祈もそういうタイプの生徒ということだろうか。
そういえば、しばらくいなかったようなことを悠未も灯理も言っていた。
さて。胸に抱えているモヤモヤのウサ晴らしがてら、確かめてみることにする。
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