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「はい、アケミちゃん、ありがとう。みんなアケミちゃんに拍手!」
いつのまにかアケミちゃんが席に座っていて、先生が大きな拍手をしていた。
僕はつられて小さな拍手を適当にやって、次に夢を発表する、僕の隣の席のダイチくんをちらっと見た。
「それじゃあ次はダイチくんね」
先生に呼ばれて、ダイチくんはゆっくりと立ち上がった。
僕は、ダイチくんの夢を知っている。
僕と同じ、プロ野球選手になることだ。
そのために一緒のベースボールクラブに入って、日曜日は練習している。
放課後だって、学校のグラウンドでキャッチボールをしている。
僕と同じ夢を語るだろうダイチくんの横顔を、僕はなぜだか嬉しくなって、微笑みながらじっと見つめた。
「僕の目標は、ベースボールクラブでスタメンになることです」
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