秋のサナギ

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 ――俺はお前に頼まれて、一緒にいるだけだよな? こういうこと言われるのも織り込み済みなんだろう?   沈黙は長く続かなかった。 「松本くん、今日は絶対来なよ」  いつの間にか二人の脇に真壁が立っていた。 「ああ、行く」  雄太が顔をパッと上げた。もう落ち込んだ表情はしていない。  栄貴は気持ちが悪かった。ホモかもしれない真壁が、ホモの雄太が、そして、必要以上に真壁を意識する自分自身が。  あれから二週間が経った。  相変わらず栄貴と雄太の関係は続いていたが、ちょっとずつ雄太の行動や態度に変化が起こっていた。  関係が始まった頃は、大学がある平日は毎日やってきていたのに、今は隔日だ。彼曰く、映画研究会の活動やバイトが忙しい、とのことだったが。いつもフェラは二回してくれていたのに、今は一回。しないで手コキだけのときもある。見るからにサービスが悪くなった。  ――もしかして真壁と付き合い始めた?  いや、それはない。雄太は道理を通す奴だ。高専で付き合っていた男と別れてから、栄貴に声をかけてきたのだ。  ――ちょっと待て。俺はあいつと付き合ってない。あいつが一方的に俺を好きなだけだ。 「栄貴どうしたの? ぼうっとしちゃってさ。俺、ちょっとトイレ行ってくるから」 「ああ」     
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