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雄太は変わり果てた部屋に圧倒されているようだった。数分言葉を失ったあと、栄貴に声をかけてくる。
「栄貴、大丈夫? 何か悩み事でもあるのか?」
「別にないよ。食欲の秋って言うだろ? 食べるのが好きになっただけだ」
「ならいいけど――」
まだ雄太は戸惑っているようだった。床に座ることも、ベッドに向かうこともなかった。テーブルは出せない。置く場所がない。
「なあ、フェラしてよ」
栄貴は自分からベッドに横たわり、ジーンズと下着を下げた。自分で服を脱ぐなんて、雄太と顔を合わせた頃は想像もしていなかった。
「ああ――」
気が乗らないような声で返事をして、雄太がベッドに載った。ベッドの軋む音がした。前よりも音が大きい。
いつもと同じような所作で、雄太がフェラしてくれた。いつもと変わらない計算されつくした愛撫だ。すぐに栄貴はイって、遠慮することなく白濁を吐き出す。雄太は栄貴が射精する直前に顔を避けた。飲むのも顔射も避けて、汚れひとつな顔で、息も乱さずに、ベッドから下りた。自慰をすることもない。そこは少しも膨らんでいなかった。
「栄貴、太ったよね」
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