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「タツオー!」
叫んでいるのはクニだろうか、サイコだろうか。
電撃は着弾とともに襲ってきた。タツオは歯をくいしばり、悲鳴を漏らさぬように全身に力をこめた。下半身はとくに重要だ。うっかり緊張を解けば、小便を漏らしてしまう。幸いこれまでの戦闘訓練で半分以上、この電撃を受けてきた経験があった。
電撃は永遠に続くように感じられるが正確に20秒間だった。電圧は通常のスタンガンの数倍、暴徒鎮圧用に意識を飛ばす目的の電撃銃のわずかに下に過ぎない。
20秒後、戦闘用ディスプレイで自分のアイコンを確認する。戦死の赤いフラッグが立っていた。負傷のサイコとクニはオレンジだ。
ラッキーなことにタツオは戦場がよく見える形で倒れていた。模擬戦用の戦闘服はすでに硬化しているので、身体を動かすことはできないが、死体となっても指揮をすることは可能だった。
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