第16章 母親達《マドンナたち》の子守歌《ララバイ》

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・・・でも、どんな崇高な目標があっても 私は一個人として、家族との時間を大事にしたいと思ってるんだけど。 自己犠牲は要らない。 痩せ我慢なんかしない。 誰も悪者にならない。 自分に正直でも、時々いい加減でも、大丈夫。 「おはよう!!かりんせんせーーー!!」 「おっはよーーーー!!」 道行く中学生はかつての園児達で、私を見ると大きな声で挨拶してくれた。 誰とでも無理せずに、 自然と笑って挨拶ができるようになるまでうんと時間はかかったけれど、 ひとつの目標に到達できたことを密かに喜びながら手を振った。 私、この町が好き。 これからもずっと、何が起きても、私達はここに居続けて 自分から笑顔で挨拶を交わして行こうと思う。 おわり image=508509876.jpg
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