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あれから私は晴れて自由の身となって、お姉さまとして過ごしてきました。可南子という存在を殺されて、私が何も恨みに思わないとでも、お思いになりました?私ね、蟲毒の勉強をするうちにね、実は土蔵の中で呪術も身につけてしまいましたの。お姉さまは、正真正銘、毒虫にやられてお亡くなりになられましたが、お父様には、もっともっと苦しんでもらわなければ、可南子があまりに不憫でしょう?
最初は、蟲毒によって、この家に富をもたらしました。寒村の地主が、簡単にこのような地位につけることを少しは不思議に思われませんでしたか?とりあえず、私自身の生活の基盤は大切ですから。
しかしながら、積年の恨みは忘れはしませんよ。私は、最強の蟲を依りしろに、お父様に呪詛をかけ続けました。その結果、見事にお父様は、癌になられた。
ご心配なく。帝王学なら、しっかりと学んできましたから、事業のことは心配なさらないで。私がしっかりと引き継いで行きますからね。何せ、私には、最強の蟲がついているんですもの。まだまだ、蟲毒で最強の蟲作りは続けていますよ?今まで通り、この家に、最高の富と権力をもたらすはずですわ。
だから、お父様はご安心なさってくださいね。
ほら、お粥が冷え切ってしまいますよ。少しでも温かいうちに召し上がれ。
私が手塩にかけて育てた神霊たちのエキス入りですよ。
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