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お父様は、可南子を閉じ込めた土蔵に決して近づかないようにと、家族にきつく言い渡していたでしょう?ところが、子供はするなと禁忌を強いられるほど、興味を持つものだと知っておられましたか?そう、こっそりとあなたの娘は、可南子に会いに行っていたのですよ?
自分が一人っ子だと信じていたのが、実は姉妹であると知った時には、驚きと共に、喜びがありましたわ。可南子は物心ついた時には土蔵から一歩も出してもらえないのは、何故なんだろうという疑問は常に持っていましたよ。その理由は、土蔵の中にあった、古文書で知ることになるのですが。
お惚けになってもだめですよ。ウフフ。私達一族は、蟲毒つかいの一族なのでしょう?お父様は、それを忌み嫌っておられて、一族の慣わしの一切を無視しておられました。だから、可南子をこの世から抹殺したのでしょう?あなたは、可南子を殺せなかった。それで、土蔵の中に押し込めて、事実上居なかったことにした。
可南子を守るには、これしか方法が無かったのですよね。仕方ないと言われればそうですよね。一族に双子が生まれた場合は、蟲毒の呪術の能力は一子相伝でなければならず、一人を始末しなければならないという掟をあなたは破った。
姉の方には、幸い、まったくその能力は無かった。呪われた一族の呪縛から、解き放たれたとお父様はお思いになったことでしょうね。
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