第3話※

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 少し寝るか、と目を閉じようとするとスマートフォンが振動した。  高松圭一(たかまつけいいち)からの電話だった。    胸に嫌なもやが広がっていく。  義理の兄であるその名前を見るだけで手足が冷たくなってくる。  無視しておこうと思ったが、いつまでもスマートフォンは震え続けている。    舌打ちをしてデッキへ出た。嫌々ながら通話に切り替えると、甲高い圭一の声が飛び込んでくる。    「出るの遅いじゃん。何してたんだよ」  圭一が言った。どこか賑やかな場所にいるようで、軽快な音楽が流れていた。女のはしゃいだ声もそれに混じる。 「別に」 「んもう。おにいちゃんに対して相変わらず冷てえなあ。今どこだよ」 「どこでもいいだろ」
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