In My Time of Dying

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「ほんとに応援してるなら、 今から俺んちに来いよ」 だせぇ。 言ってること支離滅裂。 でもプライドなんかドブに捨ててやる。 凛がぎゅっと唇を結んで、困ったように俺を見る。 「そんな、急に…… 今からじゃ、また帰れなくなっちゃう」 「泊まってけばいいじゃん」 困らせて、わがままをきいてもらうことで 愛情確かめるとか 反抗期のガキか俺は 「それに、まだ高校生なのに 当たり前みたいに女の子を泊めるのって、よくないと思う。 もっとちゃんと、節度をもって……」 出た風紀委員。 「節度って何。食えるの?」 「ふざけないで」 怒るなよ。 意地になってて退けないのもあるけど 本音は、俺の部屋で誰にも邪魔されずに いちゃつきたいだけだよ。 わかれよバカ。 逆に、わかってるから来ねーのか? 「凛。俺んちに来るの、何でそんなに嫌なの?」 バイクの横に立つ凛の腰に手をまわすと、 細い体がいつものようにこわばる。 「そんなに怖がるなよ」 「怖がる、とかじゃなくて…… 蒼さんみたいに、こういうの、慣れてないから……」 目を伏せて、拗ねたように言う凛の耳が赤くて 噛みちぎりたくなる。 俺だって慣れてねぇよ。 こんなふうに、もっと俺のこと好きになって欲しくて駄々こねる自分 知りたくなかった。
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