1人が本棚に入れています
本棚に追加
「いい加減起きないと遅刻するわよ。
もう7時回ったわよ。」
実母が家事をしながら声をかける。
妻が起き出す気配がした。
只野は布団に潜ったままだ。
『なぁに?
親に起こしてもらってるの?』
「違う!」
『子供の面倒もみれないなんて、本当役立たずね。』
「違う!!」
『お荷物さん。』
「違う!!!」
只野は布団の中で否定し続ける。
子供たちを送り出した妻は只野の様子が気になり、布団を揺すった。
「どうしたの?
大丈夫?」
しかし只野は布団にくるまり、小さな声で
「違う!」
を連呼していた。
最初のコメントを投稿しよう!