第3章 灼熱の地獄

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  妻はそんな只野を見ておかしいと感じる。 只野の額に手を当てる妻。 火傷しそうに熱い。 妻はあわてて只野に言う。 「すごい熱じゃない。 薬……薬を飲もう?」 ダイニングに行き、コップに水を注ぐ。 朝の薬を持って只野の元へ向かった。 「さぁ、薬を飲もう。」 「違う!」 只野はもうろうとした意識の中で叫び続ける。 一向に薬を口にしない只野に苛立ちを覚える妻。 異変に気づいた実母も様子を見にやってきた。 「どうかしたの?」 「ええ、すごい熱なんです。 とりあえず薬を飲ませようとしたのですが……。」 只野はうずくまったまま 「違う!」 を連呼していた。
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