第3章 灼熱の地獄

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  「どうしましょう?」 妻は実母に相談する。 実母は只野の前に座り話しかけた。 「おっくん。 何が違うの?」 「違う! 違う!」 まったく取り合おうとしない。 いや、何かに怯えて実母の声すら聞こえていない感じだ。 しかし実母は話しかけるのを止めない。 やがて只野は実母の言葉に答えるようになる。 「おっくん、何が違うの?」 「ダメ、そんな大声出したら聞こえちゃう。」 「大声なんて出してないわよ。 それに誰が聞いてるの?」 実母が只野に問いかける。 「盗聴器が……。」 「盗聴器なんてないわよ。 気にしすぎ。」 実母は只野の背中をなでる。
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