第3章 灼熱の地獄

8/10
前へ
/39ページ
次へ
  「さ、薬を飲もう。」 妻が薬とコップを差し出した。 「ダメ、見られてる。」 只野はなおも怯えている。 「誰も見てないわよ。 薬を飲むだけじゃない。 何を怖がることがあるの?」 実母が諭す。 「だって、薬を飲んだら……。」 「大丈夫。 考え過ぎよ。」 実母は只野の背中をさする手を休めない。 「さ、薬飲もう。」 妻が只野に薬を渡す。 只野は周りを警戒している。 「ほら、薬。 飲んで。」 実母が只野の手にある薬を指し示す。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加