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「ね、飲もう。」
コップを差し出す妻。
「ほら、口を開けて薬を入れて……。」
実母は根気強く只野を諭す。
根負けした只野は周りを気にしながら薬を飲んだ。
「今日はこれで様子を見ましょう。
明日になっても熱が下がらないようなら、病院に連れて行きましょう。」
実母は只野が薬を飲んだのを確認すると妻に言った。
「何か食べさせた方がいいですかね?」
「無理にはさせない方がいいわね。
食べさせるにしても口当たりの良いもの……ヨーグルトとかプリンくらいかしら。」
「アイスとかも良いかもしれませんね。」
「そうね。
後は水分だけ取らせるようにして様子を見ましょう。」
そう言うと中断していた家事に戻っていった。
只野に薬を飲ませるのに、1時間以上かかっていた。
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