第3章 灼熱の地獄

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  「ね、飲もう。」 コップを差し出す妻。 「ほら、口を開けて薬を入れて……。」 実母は根気強く只野を諭す。 根負けした只野は周りを気にしながら薬を飲んだ。 「今日はこれで様子を見ましょう。 明日になっても熱が下がらないようなら、病院に連れて行きましょう。」 実母は只野が薬を飲んだのを確認すると妻に言った。 「何か食べさせた方がいいですかね?」 「無理にはさせない方がいいわね。 食べさせるにしても口当たりの良いもの……ヨーグルトとかプリンくらいかしら。」 「アイスとかも良いかもしれませんね。」 「そうね。 後は水分だけ取らせるようにして様子を見ましょう。」 そう言うと中断していた家事に戻っていった。 只野に薬を飲ませるのに、1時間以上かかっていた。
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