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只野は薬を飲むと布団にくるまった。
『アハハハハ。』
『ウフフフフフ。』
只野の耳にはあざ笑う声がこびりついて離れない。
「違う!
違う!!
違う!!!」
只野は高熱の中、呪文のように繰り返すのだった。
「どうしちゃったの?」
妻が呟く。
しかし返事は
「違う!」
の一点張り。
妻は今日の子供たちのお迎えの為に体を休めることにした。
只野は薬のせいか、はたまた昨夜一睡も出来なかったせいか?
浅い眠りについていた。
『アハハハハ。』
『ウフフフフフ。』
「違う!」
あざ笑う声は耳を塞いだくらいでは防げない。
只野の心はひたすら叫び続けた。
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