第4章 境界線

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  「まったく、俺たちの健康管理をするハズのキュットが熱だしてダウンしてどうするんだよ。」 「ごめん、バウク。」 バウクはぶつぶつ言いながらも、額の濡れタオルを取り替えてくれた。 「そう言うな、バウク。 慣れない旅で疲れが出たんだろう。」 鬼教官が何かすり鉢で作っていた。 そう、私は今熱を出して伏せっている。 普段なら今は朝食を作っている時間だ。 「よしできた。 熱冷ましだ。 こいつを飲めば直ぐよくなる。」 鬼教官は熱冷ましを作ってくれていたんだ。 「起きあがれるか?」 「うん。」 バウクに支えられ、上半身を起こす。 鬼教官から渡されたのは、緑色の液体の入ったコップだった。 「ちょっと癖があるが、よく効く。 そいつを飲んで今日はゆっくり休め。」 鬼教官からコップを受け取ると匂いを嗅ぐ。 「う、これお酒じゃないですか。」 アルコールの匂いが鼻をつく。
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