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「これは失礼、実名を名乗っちゃいけないんだ。だからボクはNとしよう。それと、君の二つ目の質問の答えは知っているけれど、悪いけど、まだ答えることはできないんだ。ごめんね」
Nと例えた少年は苦笑いをしながら申し訳なさそうに言った。色々と聞きたいことはいっぱいあった。
例えば、いつの間に僕の背後に立っていたのか、何故答えられないのか、Nが何者なのか考え出せば山ほど出てくる。
けれど、質問ばかりだと返ってNに失礼かと思い、たった一つこれだけはという質問をNに投げかけることにした。
「じゃあ僕のことはAと呼んでくれ、それともう一つ、ここは何処なんだ」
「それじゃあ、A君。ごめんね。その質問にも答えられないんだ。でもきっと君ならここが何処なのか分かるはずだよ」
「何も答えられないんだな」
「何もかも答えられないわけじゃない、ただボクたちは何もかもを話すほどお互いを知らなすぎる。特に君はね」
意味深な言い回しにただでさえ整理されていない頭が余計にこんがらがってきた。何もかもを話すにはお互いの事を知らなすぎるか・・・。
「じゃあ、これからお互いを知り合わないか?」
僕の言葉にNはポカンと呆けた顔をした途端
「ぷふっ・・・あははっ、やっぱり君面白いね。そう、そうだね、そうとも!これから知り合えばいい」
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