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「っ……」
はあはあと上がった息を整えてミタマを睨みつける。涙で歪んだ視界の中、狐の男は少しむっとし、もう大丈夫だぞ、と言った。
……何が大丈夫なものか。そう思って体を起こそうにも、まだ力が入らない。先ほどの黒い液体はなんだったのか、いつもより粘り気のない性の残滓が、薄い腹を汚していた。
そして、ミタマの長い指が自分の中に入っているのを見て、思わず顔に血がのぼる。
「あ……ぅっ、ぬ、ぬけっ……」
「そう言う割には随分と具合がよさそうだが?」
「っ、そんな、わけ……っ」
あるかよ、と言いながらも、自分の体が、奥が、その指をしっかりとくわえこみ、きゅうきゅうと締め付けている。その手元を見て、あの長い指が三本も自分の中にあるのかと思うと、また目がまわりそうだった。
ミタマは口元を拭いながらもその指を引く気はないようだ。そればかりか、その指先を少し曲げて、またしこりをゆるゆると撫でてくる。
「や、め……やめ……ぁ……っ」
先ほどから短時間で何度も達せられた其処は萎えてきている。にもかかわらず、熱く蠢く快感に操は戸惑った。
どうしてだ。
どうして自分の中は濡れているのか。
熱を持った内側に怯え、恐怖も混ざり、肌が震える。そんな操を見てミタマは指を根元まで差し込んだ。そして、その指先でその奥を暴いていく。
「これでもまだわからないのか?」
甘く優しい声が響く。金と青の双眸は優しく……けれど、冷静に操の目を射抜いた。
貌良い唇が何かをためらうように、けれど、残酷に開かれた。
「この奥が子宮になってるんだ」
「っ……」
「お前は……Ωに「なった」んだ。……操」
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