三国志島介の志編(180年代

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 盆から取ったのは印璽、いくつかの地域の侯印か。官職についているよりも実益が大きい、これならば従うものだっているだろうさ。一歩進み出る奴がいる、誰だ? 「都船令栄信で御座います。船上であれば司空の護衛も少数、視察を行うことになればそこで」 「ふむ、都船令の案を実行出来る者は無いか」  董卓のスケジュールに影響を与えられるやつってことだよな。もうひとり進み出るやつがいる、李儒だぞ。 「それでしたら、江の行幸を上奏してはいかがでありましょうか。尚書殿もこの場にあり、陛下の元へ声が届くものかと」 「盧植か。どうだ」 「職務でありますれば、上奏あらばそれをとり継がせて頂きます」  これは盧植のやつあまり乗り気ではないな。つまらん謀略への加担はしたくないだろうし、仕方あるまい。俺だってごめん被るよ。こんなのじゃ董卓に指摘してくれと言わんばかりの行動だしな。  ざわついている場、にわかに沸き立つ衆人、そして目を細めている皇太后か。そういえば何進らを見事に抑えていたのはこいつだったな、立場ガラそう出来ていたのかと思っていたが、どうやら能力があったらしい。 「賛同される方は前へお進みくださいませ」  宦官が甲高い声で誘いをかけると、栄信を始めとして半数以上が歩みを進める。ほぅ、そういうことか。 「中散大夫殿、何故後ろに?」  のこのこと進み出た男が、後ろに残っている李儒の姿をみて首を傾げている。それに対して李儒は言葉を発さない。盧植も腕を組んでその場に残っている。武装した衛兵が現れて衆人を囲んだ。 「皇太后陛下、これは!」
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