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一瞬、ほんの一瞬だけ殺気を放つ。本気を出せばいつでも簡単に命を奪える位の技量差はあるからな。
石苞の目が見開かれると冷や汗がにじみ出て来る。
「本気で言ってるのか、さっきそこであっただけだぞ。それを将軍にって」
「俺は産まれや育ちで差別をしない。才能があるようならそれを採り上げ、経験が足らないならば積ませ、道を知らねば導く。石苞が志すならば応援する、だが切り開き歩むのはお前自身だ」
平等公平などとは言いはしない。それでも未来へ駆けることすらできない奴を、スタートラインに置いてやる位はしてやる。
「俺は石苞、字を仲容。 冀州勃海郡南皮県の住民だ」
表情を引き締めて向かう先の覚悟を決めたのが感じ取れる。思い切りが良いのも若者の特権だ。
「島介、字を伯龍。東海島の出身で蜀の右将軍中侯だ。ついて来い、後ろの奴らも橋を直したら長安へ来るように石から言っておけ。李項、戻るぞ」
「はい、ご領主様」
どこまで伸びるか楽しみだ、感覚で指揮するようなタイプだな。乱戦になると強みを発揮するぞきっと!
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