三国志蜀の中原制覇編(220年代

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「今からお前は右将軍記室参軍だ、俺の左へ居場所を改めろ」 「畏まりまして」  比四百石への大抜擢だな、文書を司る参軍だ。檄文やら謀議文の起草には使えるだろう。  妬みの視線が集中する、それもそうだ、殆ど全てをごぼう抜きしての躍進ではな。 「いいか、俺は能力で評価する。生まれも育ちも関係ない、武勇でも智謀でも得意とするものがあるならばそれを生かして貢献しろ。そうすれば必ず報いると約束する」  そうだ、俺はいつもそうやってきた、知らないなら何度でも教えてやるぞ。  これを機に奮起するやつがいるなら試してやる、困惑するだけならそこまでだ。 「島将軍へ申し上げます。南蛮州の各地へ現状を安堵すると文書を発してはいかがでしょうか?」  早速の意見か、郤参軍の手腕のほどを確かめておくとしよう。 「それにより何が起こりうる?」 「旗幟が鮮明になるでしょう。李左督並びに李右督の平定の助力にもなり、戦略単位で時間の節約にもなります。ですが一つ」 「なんだ」  ここまでは良いことづくめに聞こえるが、俺が知りたいのはその先だ。問われずとも口にしたのは褒めてやろう。
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