三国志蜀の中原制覇編(220年代

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「すげ替えるべき人物も留任とならば、後に不都合が御座いましょう」  なるほどな、それは一理ある。だが若さゆえの見通しの甘さが見え隠れする。 「それが参軍の懸念か」 「左様にございます」  真面目な奴だ、性格による限界は存在している。それを差し引いて判断を下せばよいが、上官次第か。 「対策は幾らでもある、文書の件を採るゆえ参軍の裁量で実行するんだ」 「ありがたく。されば後学の為に対策の一端をご教示いただければと」  教育だと思ってかみ砕いておくか、蘭智意へのそれでもあるしな。 「降ればそれで目的が果たせる。任を解くならば栄転で引き寄せれば文句も言えまい」 「栄転……」  なるほどという表情だが、それが甘いというんだよ。チラリと蘭智意を見る、何か別の考えがありそうな感じだ。  全てをここでは言わんがな。 「他は自身で考えてみるんだな。重要なのは南蛮支配を促進することだ」  自らを貶めてでも整合をつける、呂軍師あたりなら引いた後に道中行方不明の線だって視野に入れるだろうさ。
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