三国志蜀の中原制覇編(220年代

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「それらをそのまま呉へ持ち込みます。可能ならば軍馬や武具と交換して引き寄せれば良いかと」  正解だ。丸ごと間を抜いて、その上で呉を弱らせこちらを肥やす。往復で三倍から四倍の効果だな。  孟獲にそうやって道筋を示せばどうとでもするさ。 「そういうことだ。魏の状況を」  軽く口の端をつりあげてやり話を進める。 「北方蛮族を警戒して一軍が北部へ警備に出ております。また洛陽、荊州方面にも各一軍が。曹丕は幕との折り合いが悪いのか、讒言が飛び交っている様子」  こちらは一軍のみでも魏は五軍は出せるはずだ。動かす頭脳が仲たがいではやりづらかろう。  その弱きを攻める、離間を促進か。司馬仲達というのが力を持つと孔明先生が苦労をするな。  小細工するには情報が少ないが、出来ることはするか。 「狙いを定める。司馬仲達に謀反の疑いありと魏に喧伝すると共に、やつ署名の書簡を偽装してばらまくぞ。本人が気づいても曹丕やその取り巻きがどう考えるか次第で結果が出る」  百の偽物が出てきて信じずとも、百の書簡を目にする事実が残る。  一人の文官が進み出る、発言を仕草で許可してやった。
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