三国志蜀の中原制覇編(220年代

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「かつて曹操は袁紹との決戦で内通の書簡を見ずに焼き払ったことがございます。これにより更なる忠義を得ました」  なるほどパフォーマンスだなそれは。そうされれば改心せずとも暫くは大人しく従うしかない。  考えているふりをしておくか。どこからか声があがるかも知れんしな。  しばし待った、だが声はあがらなかった。残念だ。 「進言は受理するが止めはせん。曹丕が曹操以上の能力を備えているならば懸念はあるが、それならば中華はとっくに統一されているだろう。そして策を見抜き最も早く諫言するだろう司馬仲達が発言を許される内容ではないからな」  そうなれば司馬仲達は次善の策を採る。即ち行動の自粛だ、こいつは時間稼ぎが狙いの俺に都合が良い。  蜀がごたつく間に攻め込む進言も、同道も出来ぬとあっては歯噛みするだろうな。 「御意。それでは実際に司馬仲達が謀反を起こす場合の対策はどのように?」 「なに……」  そこまでは考えていないぞ。だがこいつが実際に乗っ取るんだったか、いや息子だったか? 「お前の名は?」 「南蛮州西曹書佐の黄崇です」
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