三国志蜀の中原制覇編(220年代

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 こいつもまた二十歳前後だな。もしかして孔明先生が寥刺史のところへ人材を避難させていた?  だとしたら前歴を聞けばわかるか。 「元は何をしていた」 「尚書郎として成都で従事しておりました。先の大戦の後に南蛮へ異動を申し出ました」  すると孔明先生の属吏だったわけだ。同じ郎官でも尚書ってことは国事に秀でている証拠だな。 「黄書佐ならどのような対策をする」  君ならどうするって話だ。戦わせても政治でも結果を出せる司馬仲達だ、戦場にだしてはいかん。 「最も効果的なのは軍権を無くすことでしょう」  仮節撫軍大将軍をだな。俺が口にした栄転にかけているわけか、だとしたらこいつは使えるぞ。 「讒言で離間し、落ち度もないのに軍権まで取り上げては謀反を誘うようなものだが」  あえての逆誘導だ、若い目は育ててなんぼだからな。さあ打てば響く素質を見せてみろ。 「曹丕が司馬懿と懇意であり、取り巻きの懸念を鑑み、策を成功させ、全てを整合させる一手を曹丕が気づけるようにします」 「それは?」
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