三国志蜀の中原制覇編(220年代

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「司馬懿の栄達、宮廷に縛り付けることでしょう」  その官職がなにかは知らんが、結果そういうことだ。こいつも手元に置くとするか。 「黄崇、以後は俺の幕へ並べ。今から右将軍諮議参軍だ」  例によって比四百石だ、立身出世とはこれだな。もっと皆が発言しやすい場を作るとしよう。  ではどうやって、だな。こういうのは単純な方がよいと決まっている。 「どんどん意見を上げてこい、俺はそれを咎めはしない。自由に討議し、結果を聞かせて欲しい。働きやすい環境を整えるために皆の力を貸して欲しい」  官吏が皆一礼する。始めるんだ、ここからまた! ◇  幾日もが過ぎ去り、それなりに忙しい職務をこなしていた。域外との連絡をどうやってつけるか、そこに課題が残っている。 「電話一本世界中どこでも話が出来る時代じゃないからな」  相手を見つけるのが極めて難しい、ばったり出会うなど奇跡そのものだ。それだけに拠点がどこにあり、誰が居るかを示すことが重要になってくる。  足音が聞こえてきた、甲冑の響きで部屋までやって来られるのは伝令か高級官僚のみ。或いは反乱でも起こされているなら兵という線もありえる。
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