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小一時間ほどすると鎧を鳴らして蘭智意がやってきた。
「お呼びとのことで」
世が世なら、一軍を率いる大将なわけだが、付き合わせてしまっているな。つい百年ほど前までは、奮威将軍あたりで十万の軍勢を指揮していたそうだ。
「うむ、近く状況に変化が起こるはずだ。その時は俺かお前が動く、即応可能なように準備しておけ」
どちらかが動けば雲南に隙が産まれる、不穏分子が仕掛けるならばここだろうよ。
今は大人しくしているが、機会をみて反旗を翻す輩の千や二千はいるはずだ。
「越俊の郡境に蜀国軍が駐屯しているようです。今は監視をしているだけで動きはありません」
下手に刺激したくないわけか、弱気な方針だな。寥化のやつは他に手一杯で、南蛮にまで構って居られない。北方の統治に武将らの不満を押さえてだな。
孔明先生にとってかわれる奴は蜀には居ない、俺含みでだ。
「魏や呉との国境も同じように警戒してくれれば良いが」
何せ国内を固めようとの気持ちが強すぎると上手くない。防衛というのは籠っているだけではなりたたない、攻めるぞと見せかけることで相手に負担を強いることもあるぞ。
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