三国志蜀の中原制覇編(220年代

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「それが、頑なに城門を閉ざして拒否している模様です」  虚報との線もあるだろうし、ほいほいと城を明け渡すのも問題だ。だが『南蛮』の軍旗を無視するのは許せん。 「詳細を」 「霊平県長は、正式な国家の辞令無くして城は明け渡せない、職務を全うする所存とのこと」  頭が固い老人が県長に就いているのかもな。悪くは無いが柔軟性に疑問だ、だがそこに意志があるのは認めるぞ。  最遠の地の司令官だ、我があってこそなのも事実か。住民や兵がどう見ているかで正反対の評価がつく可能性がある。 「李右督は」 「西の街道に退き使者を送り説いているところです」  武力で押し出すような指示は出していない、李封にしてもそれが限界だろう。このままではらちがあかんな。  騎馬でなら駆けて一日、歩兵を連れてなら十日以上か。さてどうしたものかな。  抗戦ということなら蘭智意に任せるが、これはやや難しい。三、四日の留守を守らせるか。 「わかった、下がれ。陸司馬、親衛隊に出撃準備を出せ」  部屋の隅に控えていた陸司馬が眼前に進み出て「御意! すぐに整えさせます」一礼して出て行く。
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