三国志蜀の中原制覇編(220年代

489/1235
前へ
/2607ページ
次へ
 こちらが攻めず、探りを入れていたなら反諜活動? 李封の軍が攻め込むように見えた可能性はあるが、違う気がするな。 「お前はどう思う」  こういうのは言い出したやつの意見を尋ねるのが一番だろう。何かしらの答えを持っているものだからな。 「交州より侵略の準備をする一環でありましょう」 「なぜだ」  離れた県を切り取り山岳を封鎖してしまえばそれまでだからな。こんな山間の県を奪ったところでなんだってことだが。 「先だって長江で水軍が撃退されました。北西の山岳路を迂回にし、巴郡南部に出現、巴東を挟撃する出城の役割を求めているのではないでしょうか」  俺が抜けてきたわけだから、一か月もあれば迂回は可能だ。永安は一本道だから防衛出来ている、下を抜けられると厳しいな。  このあたりに進撃拠点があれば兵糧の供給も距離が短いか。巴東を奪われては以後の防衛が待ったなしで、首都が危険にさらされてしまう。 「可能性はある。ではどうする」  そこまで読んでいるなら考えがあるはずだ。馬の足を止めずに問う。間諜も屋外で馬上では聞き耳をたてるわけにもいかない。
/2607ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3364人が本棚に入れています
本棚に追加