三国志蜀の中原制覇編(220年代

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「李封、一万であれを蹴散らしてこい。南塞を置けるだけの範囲で構わんぞ」 「はい、ご領主様!」  南蛮軍五千と地方軍の五千を率いて李封が北上を続けた。こちらはここで待機だな。民兵は観戦させておくとして、流石にあいつ一人ではきついだろう。 「陸司馬、お前も行って李封の補佐をしてやれ。親衛隊も半分連れて行くんだ」 「ご命令通りに!」  騎兵が本陣から抜け出て前衛部隊に溶け込んでいった。城内からの呼応は半々だな、趙雲が城内に居るようなら出て来ることもあるだろうが。  翻る軍旗に『趙』というのは無いからな。河を挟んで対陣するはずがないから、漢中より北西あたりに陣を置いているんだろう。様子を見て魏延とも協調行動出来るようにするためにはそれしかない。  おかげで漢中周辺で兵力不足だよ。だがそれでいい、閉じこもっているようでは未来は拓けないからな。  あれは孟達の軍か。忠誠心を試す為に常に最前線に置かれているんだろうな、鞍替えした武将の宿命だよ。  真後ろから攻められた魏軍が驚いて防戦一方で押されてしまい、軍が左右に割れた。漢中城は援軍に沸いているように見える。
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