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俺の軍旗を見てガッカリという線も捨てきれんがね。しかし、李封のやつ、孟達軍に全く劣らんな、良いことだ。
城の南凡そ五百メートルほどにある小高い丘を占拠する。そこに司令部を置いて『李』の軍旗を立てた。中央に余裕を持って円陣に切り替えて防衛の構え。
「よし、こちらも進むぞ」
更に一万の増援とあって孟達軍は攻めるのをやめて撤退していく。勇気と無謀は違う、戦況が変わったなら速やかに退くのが正解だ。
小高い丘で合流、直ぐに民兵に土木作業を命じる。元々兵など土工の方が得意な奴らが多い。
「ここに砦を置くぞ、土塀を作り木柵を置け。それが終われば塔を置いて、堀を作れ。南への道に倒木を重ねて行軍を阻害だ、ほれ急げよ!」
敵と戦えと言われるより遥かに目算が立つ、ここでは徴兵された奴らが大いに働く。
「李封、ここは任せる。俺はちょっと城へ行って来る」
「承知致しました」
鳳珠羽空王と羅憲に騎兵を率いさせて漢中城の南門に近づく。城壁の上から矢を射かけられても驚きはしないよ。
名乗りを上げるまでもなく、城門が開いた。そこには張裔太守の姿が。病ではなかったのか?
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