三国志蜀の中原制覇編(220年代

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 連戦続きで稼働率が下がっているこちらの騎兵団と数はどっこいだ。あっちだって長距離移動で疲労しているだろうがね。  衝突を繰り返すうちに本陣の射程から外れて行く。戦場が完全に遠くに行くと、迂回した姜維が南から張遼軍に向かい突撃する。これが普通の奴なら総崩れを起こすんだろうが、さすが張遼といったところ。  一隊を割いて勢いを殺して防御を固めた。もう俺の本陣を落とせるとは思って無いだろうが、まんまと張合らの撤退時間を稼がれたな。  北東の山中へと魏軍が姿を消していく、残っているのは韓徳軍。戦場は大分西へと押されている、そろそろ救援してやるか。 「陸司馬、出撃するぞ」 「御意。親衛隊に呼集!」  騎馬して矛を手にすると居並ぶ兵に声を掛ける。弩は武庫にしまって今度は騎兵に早変わりだな。 「張遼軍を駆逐して戦いを終わらせるぞ。ここで押し出せば蜀の勝利だ、気を抜くなよ!」 「応!」  騎兵を引き連れて牙門の手前に集まると石苞に目配せをする。 「開門しろ!」  二列縦隊で門を出ると交戦中の騎兵らを睨む。一杯で防戦している箇所を突き崩すぞ、趙雲への救援は姜維の役目にしよう、今後の繋がりを見据えてだ。
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