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「謹んで拝命致します」
これで後方のことは丸投げできるうえに、孔明先生に直通なわけだ。馬謖はより対魏について専念させられるぞ。
扉の外が騒がしい、何かあったな。
伝令が駆け込んで来る、顔色が悪いのは睡眠不足からだろう。
「何事だ騒がしい、御前であるぞ」
文官の一人が窘める。それを完全に無視して叩頭すると声を張り上げる。
「魏皇帝崩御! 曹叡が皇位を継承し、司馬懿、曹真らが臣下を代表し輔弼することを宣言しております!」
なるほどな、さっさと引き返して上手い事やったようだ。漢中戦どころじゃなかったわけだ、納得だよ。
「丞相、急用が出来ましたのですぐに成都をたちます。無礼をお許しください」
「追って沙汰する。頼むぞ龍将軍」
親しみを込めてそう呼んでくれる、嬉しくて涙が出るね。
「先生もお体を大切に。李項、直ぐに出るぞ、準備を整えろ!」
「御意!」
いまや高位の将軍になったと言うのに俺の小間使いみたいな真似をさせて悪いとは思っているよ。段を降りて扉に向けて歩く、武官らが十人程続いた。来た時とは感情の向けられ方が違う、成果があったと受け取っておくとしよう。
第三部完結
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