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「反乱者、擁鎧を討ち取りましたので献上させて頂きます」
首実検、本物と識別され耳打ちされるが喜びを見せない。むしろ冷たい視線を向けた。
「偽首を持って投降を装うのか。朱褒は、高定と擁鎧は強固な絆で結ばれている、注意しろと言ってきたが」
軍を動かしてない理由は知らんが、黙っているのは認めたも同然なのが策略だよ。
「馬鹿な! 朱褒が反乱をしきりに勧めて!」
なるほど、そいつがガンか。
誘導尋問ではない、そのような失言はさらりと無視する。
「いまさら言い訳は見苦しい。処刑せよ」
「お待ちを! 某が朱褒を討ち取りますので、それまでは!」
純朴なやつらだ。何だか俺が悪役のようで気が引けてくるよ。
「ふむ……では二日だけ待とう。証をたてるんだ」
「はは!」
仲間に信用されず、敵にも信用されず、更には味方と思っていた朱褒には裏切られていると聞かされ、高定は逆上して冷静な判断を下せないで居た。すぐさま軍を率いて城の外に野営している、朱褒の陣に突撃していった。
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