三国志蜀の中原制覇編(220年代

74/1235
3319人が本棚に入れています
本棚に追加
/2509ページ
「反乱者、擁鎧を討ち取りましたので献上させて頂きます」  首実検、本物と識別され耳打ちされるが喜びを見せない。むしろ冷たい視線を向けた。 「偽首を持って投降を装うのか。朱褒は、高定と擁鎧は強固な絆で結ばれている、注意しろと言ってきたが」  軍を動かしてない理由は知らんが、黙っているのは認めたも同然なのが策略だよ。 「馬鹿な! 朱褒が反乱をしきりに勧めて!」  なるほど、そいつがガンか。  誘導尋問ではない、そのような失言はさらりと無視する。 「いまさら言い訳は見苦しい。処刑せよ」 「お待ちを! 某が朱褒を討ち取りますので、それまでは!」  純朴なやつらだ。何だか俺が悪役のようで気が引けてくるよ。 「ふむ……では二日だけ待とう。証をたてるんだ」 「はは!」  仲間に信用されず、敵にも信用されず、更には味方と思っていた朱褒には裏切られていると聞かされ、高定は逆上して冷静な判断を下せないで居た。すぐさま軍を率いて城の外に野営している、朱褒の陣に突撃していった。
/2509ページ

最初のコメントを投稿しよう!