三国志蜀の中原制覇編(220年代

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 首都から遠く離れ孤立無援で篭城していたか。忠義の士だな。  城内が沸く。首都からの援軍がやってきたと。ついでに寄っただけのつもりだったが、水をさす必要もないので黙っているか。 「永昌太守王抗です」 「散護忠将軍仮節雲南太守監丞相府諸軍事護南蛮校尉中郷侯の島介だ」  意外そうな顔をされる、どういうことなのかと。  もう慣れっこだよ。誰か代わってくれ。  周囲が島将軍と呼んでいるので王抗もそれに倣う事にしたようだ。城内で酒席が振舞われる。 「よくぞお出でいただきました」 「私からも、よくぞ城を守り通してくれた。成都では音信不通で心配をしていたところ」  反乱を起こしたとは聞かなかったが、そうでなければ落城しているのではないかとの話が出ていたほどだったのは事実だ。 「城を守ったのは呂凱の功績。私はここに座っていただけです」  ふむ、呂凱というやつの仕業か。それに王抗も気持ちのいいやつだ。  何の人材不足とはいうがこういう逸材も居るものだな! 「お引き合わせ願えますか?」 「喜んで」  呼びにやらせるとすぐにやってきた。新進気鋭の武官かと思ったら、中年の文官だったことに驚く。 「永昌長吏呂凱です」
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