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「そなたが防戦の指揮を執ったそうだが」
文武両道か、いいよなそういうやつが居ると。
「必死に役目を全うしたのみです。島将軍こちらを」
手にしていた皮の巻物を渡される。
開いてみると地図だった。馬将軍、王将軍両名が集めた情報を総合するよりはるかに詳細な逸品。思わず感嘆の声が出てしまう。
「これは貴重な品、ありがとう御座います」
ついそう謝辞を述べた。上級者がそのような言葉を発するとは思っていなかったのか、黙って畏まってしまった。
「王太守、ものは相談ですが呂長吏を南蛮遠征に際して貸していただけないでしょうか?」
頼みごとをする立場なので謙る。王太守は笑顔で承知した。
「どうぞお役に立ててください。朱褒がいなくなった今、永昌郡もそこまで危険もありませんので」
「呂長吏を護忠将軍府の参軍に任じる。幅広い助言に期待する」
「御意」
後の参謀。参軍と謀士を合わせてしまったのが語源といわれているが、はっきりとしたことは解らない。
大分基礎が固まってきたぞ! しかし、これで国って言っていたのだから凄いな。現代に慣れちまって本質を見失わないように要注意だ。夢は覚めないが、これもまた面白いからよしだな 。
幕僚、軍勢ともに倍増し、いよいよ本番が始まると気合を入れる。酒の味は時代や場所が違っても、やはり旨く感じられた。
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